事業承継・M&Aに関する主な公的支援策
中小企業庁が公表している事業承継の支援策は、税制や補助金など多岐にさまざまです。
主な支援策を以下にご紹介します。
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Merit.01 事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・M&Aにおける専門家(仲介・FA業者など)に支払う報酬費用、経営革新に係る費用、廃業などに係る費用を補助します。
【1】専門家活用枠
補助率:2/3または1/2(補助上限:600万円)
(M&A支援機関登録制度に登録された専門家に支払う報酬費用のみ対象となる)
※当社に支払う報酬費用は当該補助金の対象となります。
【2】経営革新枠 ※1
補助率:2/3または1/2(補助上限:600万円)
補助率:1/2(補助上限:600万円~800万円 ※2)
(事業承継・引継ぎを契機とする新たな取組に係る費用が対象となる)
【3】廃業・再チャレンジ枠 ※3
補助率:2/3または1/2(補助上限:150万円)
(事業引継ぎ時や事業承継・引継ぎ後の新たな取組に伴う廃業費用などが対象となる)
※1 「創業支援類型」・「経営者交代類型」・「M&A類型」が存在
※2 一定の賃上げを実施する場合に補助上限額が上乗せ
※3 経営革新枠または専門家活用枠と併用可 -
Merit.02 法人版事業承継税制
(一般措置・特例措置)⚫後継者が、経営承継円滑化法の認定を受けて、非上場会社の株式などを贈与または相続などにより取得した場合において、その非上場株式などに係る贈与税・相続税の納税を猶予などします。
⚫平成30年度税制改正において、この事業承継税制について、これまでの措置に加え、10年間の特例措置として、贈与税・相続税の全額を猶予などしています。
個人版事業承継税制
⚫後継者が、経営承継円滑化法の認定を受け、特定事業用資産 ※を贈与または相続などにより取得した場合において、平成31年度税制改正において、10年間の特例措置として、その特定事業用資産に係る贈与税・相続税の全額を猶予などしています。
※事業用の土地、建物、乳牛、果樹、機械・器具備品など -
Merit.03 日本政策金融公庫
(国民生活事業)による融資「事業承継・集約・活性化支援資金」
対象者 : 会社・事業の承継・集約を行う方
資金使途 : 会社・事業の承継・集約を行うために必要な資金
第二創業または新たな取組みに必要な資金
融資限度額 : 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間 : 設備資金20年以内 <うち据置期間5年以内>
運転資金10年以内 <うち据置期間5年以内> -
Merit.04 公庫融資・信用保証の特例
(金融支援)⚫経営承継円滑化法の認定を受けた場合には、株式の買取りや相続税の支払など承継時に必要となる各種の資金に対して融資や信用保証といった金融支援を受けることができます。
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Merit.05 中小企業事業再編投資損失準備金
⚫経営力向上計画、特別事業再編計画に基づいてM&Aを実施した場合に、準備金の積立(積み立てた金額は損金算入)が活用できます。
支援内容
<準備金の積立>
【1】事業承継等事前調査を記載した経営力向上計画に沿ってM&Aを実施した際に、投資額の70%以下の金額を準備金として積み立て可能(積み立てた金額は損金算入)。益金算入開始までの据置期間は5年。
【2】産業競争力強化法で新設する認定に係る計画に従ってM&Aを実施した際に、投資額の最大100%の金額を準備金として積み立て可能(積み立てた金額は損金算入)。益金算入開始までの据置期間は10年。